NEWS

子どものうちに必要な「遊び」とは? ハーバード大学医学部のススメ

子どもの遊ぶ環境が変化し、身体的活動、運動体験が減少した結果、子ども全体の体力の低下や運動技能の未熟化が露呈しました。小学校では骨折や顔のケガの増加が報告されるなど、子どもが日常的にスポーツや運動を安全に楽しむ基礎的運動技能を習熟できていない現状が浮き彫りになっています。

こうした背景にあるのが、運動技能がもっとも発達する適時期に、自由に「遊ぶ」という学習体験を逃してしまっていることです。

ハーバード大学医学部ヘルスパブリッシングは次のように述べています。

「今世紀に入り、子どもの遊び方がますます屋内での活動中心となり、特に電子機器での遊びの増加が著しい。」

こうした上で、子ども時代に、「子どもらしく外で元気に遊ぶ」ことが子どもの健やかな成長と発達にとても重要である理由を列挙しています。

1.太陽を浴びる:紫外線は皮膚によくないといわれますが、人間の体は太陽光を必要としています。太陽光を浴びることでビタミンDを形成し骨を強くし、さらに免疫機能を高めます。良質な睡眠や気分の安定にも太陽光を浴びることは重要となります。

2.運動:子どもは少なくとも一日に一時間、外での自由な遊び運動を行うべきです。もちろん屋内で身体活動することもできますが、子どものうちは季節や自然を感じ外で遊ぶことを促しましょう。中でもボールを使った遊びや自転車はとても良い運動になります。

3.実行機能:私たち人間には、計画、問題解決、状況判断、自己制御など真に人間らしい能力を持ちますが、これらの能力は人生の成功に不可欠な要素となります。何かを創造するクリエイティブな思考や、難題に立ち向かい努力して成し遂げるといった能力も当てはまりますが、これらの能力は学習し訓練して養われていきます。子どものうちに自由な遊び時間(unstructured play)を十分に持つことが重要です。一人で遊ぶ時間、ほかの子と遊ぶ時間、遊びを編み出したり、興味を持ち答えを探し出したり、なんでも大人がお膳立てするのではなく、子供自身が自分で自分を楽しませる時間を確保するべきです。

4.リスクをとる:子どもは危険を知る必要があります。子どもは私たち親を冷っとさせるものですが、だからといって子どもが前に踏み出す体験を奪ってしまうと、生涯にわたって、あらゆるチャレンジや困難を乗り越えるための強い思考を失ってしまいます。リスクを知らない子どもは、困難や苦悩を乗り越えられという自信も勇気も持てないまま大人になってしまうのです。もちろんすべての困難や挑戦を乗り越えられるというわけではありません。しかし、皆さんもご存じの通り、人は失敗から計り知れない多くのことを学び、それこそが成功の糧になるのです。

5.社会性:子どもは、他を受け入れ、共に生きることを学ばなければなりません。学校やスポーツクラブでも身体活動を行うことはできますが、決まった場所や仲間と決まったことをやるのでは、彼らが学ぶべき「生きる力」をすべて養うことはできません。自由な遊び時間の中で、まったく未知の新しい人に出会い、どうしたら友達になれるか学び、どんな風に接すれば良いのかを知り、協力することや協調することの大切さを身をもって経験します。外での遊びは、人として生きるためのもっとも重要な感性を育む絶好の機会となります。

6.自然を享受する:子どもたちが山を登り、森を歩き、地平線の向こうに広がる海を眺め、野生の動物に出会い、もしそのような経験をしなければ、私たちが生きている世界、地球を本当の意味で知っているとは言えません。この世界の未来は子どもたち次第です。その子どもたちが世界を、失われつつある自然を理解することは、自然を大切にする、命を大切にする心を育むことに通じます。」

子どもの未来にとって本当に必要な「生きる力」とは何でしょうか。

 

引用文献

6 reasons children need to play outside